パラディンで勝つために ~正義の報復を受けよ!~

現在(ウンゴロ環境)のアリーナにおいて、パラディンで勝つためにはどうすべきかについての記事です

 

この記事では、ウンゴロ環境アリーナのパラディンの特徴を踏まえ、ピック方針について説明し、実際のピックについて解説、及びカード評価について説明します。その上でマリガン等のプレイ方針についても説明しています。

 なお、この記事では序盤・中盤・終盤について、「序盤=1~4マナ辺りまで」、「中盤=4~8マナ辺りまで」、「終盤=8マナ以降」の意味で使用しています。

 また、基本的に毎回取れるわけではないレジェンドカードについては、取れない前提でのピック方針や解説をしています。なのでレジェンドカードをピックすることについては触れていませんが、基本的には以下で説明する方針に合ったレジェンドを選べば問題ないです。

 

はじめに

 そもそも誰?という方もいるかと思うので、アリーナに関する簡単な自己紹介を。

 アジアのアリーナランキングに2月36位(remyu)、4月37位(Remyu)で載りました。また、ウンゴロ環境のパラディンは現在21週で平均7.14勝です。 詳しく知りたい方はレミュ(@Remyu_hs)のアカウントをご覧ください。

 自分はこれから述べる以下のような思考で、パラディンで平均7勝という結果を出せているので、以下の内容は少なくとも間違いではないと思ってます。

 この記事は主にある程度アリーナをプレイしている方を対象としていますが、まだアリーナに慣れていない方でも分かるように丁寧に書いたつもりです。なので、そもそもパラディンがよく分からない!という方にも参考になると思います。アリーナに慣れていない方はコレクション画面を見てカードを確認しつつ読むとより分かりやすいかと思います。

  質問や要望があった事項については随時追加していきますので、読んでいる際に気になったことについては遠慮なく質問していただいて構いません。

 

 

 

 

ウンゴロ環境におけるパラディンの特徴

  ウンゴロ環境のパラディンといえば、≪剣竜騎乗≫が真っ先に浮かぶ人も多いかと思います。実際、≪剣竜騎乗≫は非常に強いカードです。また、他の新カードである≪ヴァインクリーヴァ―≫や≪恐竜化≫も同じく非常に強力なカードであるといえます。これらのカードに共通するのは、「6マナ以上」の「ミニオン以外」のカードということですね。

 一方で、パラディンはマンモス年のスタン落ちによって≪ウルダマンの番人≫を筆頭に、≪アージェントランス≫・≪勇者の紋章≫・≪マーロック騎士≫といった「2~4マナ」の優秀なカードを失いました。

 したがって、現在のパラディンは以前と比べ「中盤以降」の「ミニオン以外」の強力なカードが増えた代わりに、「序盤」から使える優秀なカードが減っています

 また、現環境のパラディンは、3マナ以下で手札から出せる打点(武器や呪文、雄叫びによって出せるダメージのこと)が≪勝鬨の剣≫のみです。したがって、パラディン盤面にミニオンがいないと細かい打点を出すことは難しいヒーローであるといえます。

  以上が現在のパラディンの特徴であり、ピックの際はこれらのことを頭に入れてピックする必要があります。

 

 

ピックの方針

 ウンゴロ環境のパラディンのピックの方針で、私が強いと感じたものは次の2種類です。それは、①「バリュー重視型」②「終盤までに試合を決める型」です。

 ①は、≪剣竜騎乗≫や≪ヴァインクリーヴァー≫など重めのカードを多くとることによって、デッキのカードの強さで相手に勝つタイプのデッキです。この型はメイジやシャーマン、プリ―ストのようなコントロール系のデッキが得意なヒーローと相性が良いです。一方で、ローグとは非常に相性が悪く、ハンターも相性が良いとは言えません。ピックの際に強いカードを順に選んでいくと基本的にこの型のデッキになります。

 ②は、序盤と中盤のカードを多くピックすることによって早ければ10マナまでに試合を決めきることを目標としたタイプのデッキです。この型はデッキの完成度で勝負するため、①と比べ、単体で強いカードが多くピック出来なくとも勝てるデッキを組める点において優れています。もっとも、②はデッキの強さとしては①に劣るため、②が①より強いということを意味するわけではありません。この型はローグやハンターとの相性が①よりは改善し、メイジとも相性は悪くないです。一方で、①の型のパラディン、すなわちよく見るタイプのパラディンとは相性が悪いです。

 ①については、強いカードが選択肢にあれば単にそれを順番に選んでいくだけでもそこそこのデッキになります。したがって、この型を組める場合はある程度アリーナに慣れている人なら勝てるデッキを作れるので、ピック段階であまり差はつきません。しかし、毎回毎回強いカードが多く取れるわけではないことは当然ですね。その場合、中途半端に①の型を組もうとするとかえって弱いパラディンになりがちです。したがって、その場合に②の型をしっかりと組めるかが、一定以上アリーナをプレイしている人においてパラディンの成績に差が出る大きな部分であると考えています。

 

 

 

 

具体的なデッキについて

 では、先ほど説明したピックの方針を実践するとどのようなデッキになるでしょうか。以下ではそれぞれについて私が実際にアリーナで使用したデッキを基に解説します。

①「バリュー重視型」

その1

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 このデッキは12勝2敗でした。

このデッキの特徴は何といっても≪剣竜騎乗≫4枚ですね。

 マナカーブを見ていただくと3マナ以下のカードが10枚、6マナ以上が9枚とかなり重めのデッキになっています。このように、バリュー重視型は≪剣竜騎乗≫や≪ヴァインクリーヴァー≫のような1枚で2枚分以上の仕事をするカードを複数枚取ることによって、カードの強さの勝負に持ち込めるようにすることが主な勝利プランになります。

 これは≪剣竜騎乗≫が4枚と≪ヴァインクリーヴァー≫が2枚取れたためかなり極端に重めの内容になっています。実際はもう少し6マナ以上のカードを減らし3マナ以下のカードを増やした方が安定します。実際このデッキは序盤の弱さを挽回できず2敗しています。

 

 まずこの型で重要なことは、AOE(全体攻撃)や挑発などの、中盤までに相手が並べた細かいミニオンへ対処する手段を用意することです。これがないと剣竜騎乗してもライフがもたない、そもそも剣竜騎乗するミニオンがいなくて騎乗する前に負けるなどのパターンが増え安定して勝てなくなります。

 このデッキでは≪聖別≫・≪コールドライトの妖幻者≫というAOEや、≪サンフューリーの護衛≫・≪のたうつ触手≫・≪巣作りロック鳥≫という挑発ミニオンがそれに当たります。

 

 次に、重めのカードといっても8マナ以上のカードは基本的にピックしないことです。8マナ以上のカードは単体除去等で返された場合そのまま負けに直結することが多いです。現にこのデッキは8マナ以上のカードはありません。

 もっとも、≪始祖ドレイク≫・≪電撃デビルサウルス≫といった出したターンに仕事をするカードはこの限りではありません。むしろ≪始祖ドレイク≫は挑発とAOEを兼ね揃えているため積極的に取りたいミニオンにあたります。同様に≪恐竜化≫も、ミニオンがいればですが使ったターンに10/10のミニオンで殴れるため取っても大丈夫です。したがって、この型では≪始祖ドレイク≫・≪電撃デビルサウルス≫・≪恐竜化≫以外の全ての8マナ以上のカードはピックする必要がありません。個人的には≪巨大マストドン≫は挑発ですが使用感はかなり微妙でした。

 そもそも、この型においては≪剣竜騎乗≫や≪ヴァインクリーヴァー≫が十分な働きをしてくれるため、8マナ以上のカードがなくても長期戦が可能です。したがって、8マナ以上のカードはターンのほぼ全てのマナを使用してまで使いたいカードではなく、裏目が増えるデメリットとつり合いが取れていません。

 

 

その2

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 このデッキは12勝1敗でした。

このデッキの特徴は武器が4枚あることといえます。

 マナカーブは先ほどと同じく3マナ以下のカードが10枚、6マナ以上のカードが9枚です。しかし、1マナが多いこと及び序盤に出して強いミニオンが多いことが先ほどとは異なります。この差が12勝2敗と12勝1敗との差であったかなと思います。

 

 このデッキはAOEも挑発もありません。そのため、1マナのミニオンを多めに取ること及び3マナの武器で横並びに対応しています。したがって、AOEや挑発が取れないときは、1マナのミニオンや軽い武器を優先的にピックすることが求められます。この場合、2マナミニオンよりも1マナの余りを埋められる1マナミニオンの方が優先度は高いです。なぜなら、たとえ1マナ分弱いミニオンであっても、早く出すことによって自分がトレードの選択権を得ることが重要になるからです。

 

 また、さっき8マナ以上のカードはいらないと言わなかったかと思う方もいるかと思いますが、≪海の巨人≫は8マナ以上で出すことはほぼないため8マナ以上のカードに含めていません。私は6マナ前後のミニオンとして考えています。他の巨人シリーズは8マナ以下で出せる期待が持てるものはないため≪海の巨人≫のみが例外になります。

 

 このデッキのもう一つの特徴として、≪カリモスの下僕≫が3枚あることが挙げられます。この型のパラディンにドローカードは必要ありませんが、≪カリモスの下僕≫や≪ストーンヒルの守護者≫という発見ミニオンは非常に強力であるため優先してピックして良いです。これらの発見ミニオンの有用性については後述のカード評価をお読みください。

 

 

②「終盤までに試合を決める型」

その1

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このデッキは11勝3敗でした。

 このデッキの特徴は1マナから横に展開する動きが得意であることです。また、武器も≪剣竜騎乗≫も1枚もないことです。

 マナカーブを見ると、1~3マナのカードが13枚、5マナ以下のカードで24枚と、かなり軽めになっています。そして、6マナ以上のカードは手札から打点が出せるカードが中心となっています。

 このデッキは、武器も剣竜騎乗も取れなかったパラディンの理想形の一つであると私は考えています。 マナカーブ的にいえば4マナか5マナのカードを1枚減らして2マナミニオンを1枚増やすとより完璧であると思います。

 

 この型でまず重要なことは、序盤、できれば1マナからミニオンを横に展開することです。1マナから横に展開することでメイジに付き合わなくてよくなりますし、ローグにも対抗できます。

 このデッキでは≪ジャングルの遭難者≫や≪ファイアフライ≫がそれに該当します。特にジャングルの遭難者は1マナで2体並ぶため、この型の方針にとても合っています。そして、序盤に盤面をとれば≪ダークシャイアの管理官≫や≪獰猛なヒナ≫でより強固な盤面を築くことができる、という流れがあります。

 

 次にこの型で重要なことは、終盤に手札から高い打点を出せるカードがあることです。手札から出せる打点がなくても序盤から盤面をとれていればそのまま勝てることも多いです。しかし、メイジやパラディンを相手にする場合、この型はどこかで盤面を返されてしまうことがあるため、手札から出せる打点があるとこれらのヒーローへの勝率がグッと上がります。

 このデッキでは≪アージェントの司令官≫や≪ブレイズコーラー≫、≪恐竜化≫がそれに該当します。特に≪恐竜化≫は、空の盤面では即打点にはなりませんが、ヒロパの新兵が1体でも場に残っていれば8マナ10点打点にできるため非常に強力です。この型においては、≪恐竜化≫は非常に優先度が高くなります。この型の場合、同じエピックには1枚目の≪恐竜化≫より優先してピックすべきカードは存在しません。唯一≪ビタータイド・ヒドラ≫のみデッキによっては迷いますが、基本的に≪恐竜化≫を取るべきです。

 

 またこの型はその方針上軽めのカードが多くなり、手札の消費が激しいことも多いです。これを補うためにこのデッキでは≪神聖なる恩寵≫や≪カルトの教祖≫が採用されています。①の型と異なり、この型は序盤からミニオンを使用して盤面をとるため≪カルトの教祖≫との相性は良いです。しかし、あくまでこの型の方針は終盤までに試合を決めることですので、必ずしもミニオンをドローに変換することが正しいとは限らないことには注意が必要です。

 

 

その2

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このデッキは12勝2敗でした。

  このデッキの特徴は≪剣竜騎乗≫がないこと、及び≪太陽の番人タリム≫ですね。また≪ゴラッカ・クローラー≫3枚に各種ウーズが2枚とかなり対ローグを意識したデッキになっています。

 

 このデッキはその1と比べ1マナから動けない代わりに、2マナの優秀なミニオンが多くなっています。1マナのカードは主に2マナを補助するカードがほとんどです。

 

 また、このデッキは≪恐竜化≫がない代わりに、≪太陽の番人タリム≫という強力なレジェンドがいます。タリムは相手のミニオンを小さくしつつ自分の新兵などを大きくできる非常に強力なミニオンです。ちなみにこの型での優先度はタリム>ティリオンです。

 

 上述の通りこのデッキは対ローグを意識したピックになっています。パラディンはローグが非常に苦手なため、その苦手を埋めるためのピックというわけです。このように自分のヒーローが苦手なヒーローをメタるピックというのも有効な戦略の一つです。

 

 ①②のどちらの型に進むか決定するタイミングについて

  では、①②の型のどちらにするのかはいつ決めるのか。もちろんピックの選択肢は予想できないため最初から一方に決め打ちすることはお勧めできません。そして、ピックできたカードによって左右されるため、明確にこの時点で決めるということは難しいと思います。なので私のだいたいの基準についてを述べます。

 

 私は、とりあえず最初の10枚程度までは純粋に強いカードを選んでいます。なので最初の10枚は①の型を意識してピックしているといえます。

 10枚選んだ時点で≪剣竜騎乗≫と≪ヴァインクリーヴァー≫が合計2枚あれば、この時点で①の型に進むことを決め、以降は①の型を意識してピックします。

 10枚の時点でこの2種が1枚の場合は、①と②の型両方を意識してピックをします。具体的には、最序盤のカードや中盤のカードの評価を終盤のカードより少し高めにした上で一番強いカードを選びます。15枚程度まで進んでも2種が1枚であれば、②の型に進むことを決め、それ以降は②の型を意識してピックします。

 10枚の時点で2種が1枚もなければ、②の型を意識してピックします。

 

 もっとも、これはあくまで目安であり、途中で型の選択が変わりうることはあり得ます。②の型から途中で①の型に移行する場合とはすなわち≪剣竜騎乗≫か≪ヴァインクリーヴァー≫が複数取れたということであり、20枚程度からでも①に移行することは可能です。この2種が複数取れているならある程度②の型のカードが混ざっていてもそこまで問題はありません。

 しかし、①の型から途中で②の型に移行することは難しいです。②の型は終盤に手札から出せる打点及び、序盤のカードもそれなりに要求されるため、途中から都合よくそれらが全て取れる保証はなく、結果として中途半端なデッキになりがちです。したがって、①の型に進むと決めた後は、強いカードを取っていった結果②の型でも通用する構成になった場合でもない限り途中で方針転換しない方がよいと思います。

 

 

 

 

 

 

カード評価

残念ながら時間と手間の関係で全てのカードについて評価をすることはできません。

 なのでここでは、一般に評価が低い(と私が他人のプレイや点数サイトなどを見て感じる)が個人的には評価が高いカード、一般に評価が高いが個人的には評価が低いカードをピックアップして触れていきます。以下マナコスト順に紹介しています。

 なお、画像は割愛しますので、まだカードの名前と効果が一致しない方はコレクション画面を眺めながらご覧ください。

 追記:その他にも要望や質問があったカードについて随時追加していきます。

 

 

1 個人的には評価が高いカード

≪ジャングルの遭難者≫

 このカードはパラディンの1マナの空白を埋めるカードであり、パラディンの苦手な1点を出すためにも役立つため序盤のカードとして非常に評価が高い。また後半でも横に展開できミニオンを場に残しやすいため、各種バフとの相性が良く腐りにくい。

 上記①及び②の型どちらにおいても何枚もはいらないが1枚は必ず取っておきたいカード。

 

≪適応≫

 カード1枚使って適応させるだけなのは物足りないと思う人もいるかもしれないが、盤面をとらないと勝てないパラディンにとって1枚カードを使ってでもミニオンが場に残りやすくする価値は大いにある。また1マナで使えるため他の動きと併用できるのは強い。ただし、必ず狙った効果を選べるわけではないので一点狙いは危険。3種類程度欲しい効果がある時に使うと無駄にならない。

 上記で紹介した私のデッキにも4つ中3つのデッキに入っているように、序盤を押さえるために比較的優先してピックしている。優先度の目安としては、2マナ2/3には劣るが、3/2や水門学者以外の2/2よりは優先度が高いという感じ。

 

≪聖なる力≫

 効果だけ見ると1/2バフに過ぎず、物足りなく感じる。しかし、このカードは書いてある効果以上の力がある。

 具体例を挙げると、自分が2ターン目に2/3のミニオンを出した返しに相手が2/3のミニオンを出してきた場合、自分の3ターンに2/3のミニオンにこれを使用することで3/5となり、相手の2/3を一方トレードした上で3/3という3マナサイズのミニオンが場に残ることになる。また、自分はまだ1マナしか使っていないためさらに2マナ使用することができる。すなわち、1マナで3マナ相当のミニオンを出せていることになる。特にローグやメイジを相手にしている場合、1点をヒロパで出されてこちらの2/3のみが倒されることを防げる点も優秀。

 ヘルスが2上がるというのが絶妙で、同じマナのミニオンを一方トレードした上でヘルスが1以上残り、ヒロパでとられないのは非常に強い。

 個人的には≪適応≫よりもさらに優先度が上がり、2マナ2/3の効果なしミニオンより優先してピックすることもそこそこあるレベル。ただし、終盤にもなるとこの程度のバフは誤差になりやすいこと、手札に重なると動きが減るため微妙であることを考慮して2枚目から優先度は大きく落ちる。

 

ファイアフライ

 1マナの動きを埋め、横に並べる動きもできる痒い所に手が届く存在。また、≪トルヴィアのストーンシェイパー≫や後述の≪カリモスの下僕≫とのシナジーもあるため単なる1/1/2のミニオン以上の評価になる。

 優先度としては、水門学者以外の2/2より高いという感じ。

 

≪闇の中の光≫

 このカードはアリーナに慣れている人ほど評価が低いカードだと思う。実際、2マナ使って発見したミニオンのコストが下がらないため大きくテンポロスするためお世辞にも強いとは言えない。

 しかし、特に②の型においてこのカードは一定の価値を持つ。なぜなら、②の型はデッキの方針上終盤までいくとマナが余ることも増えてくるため、その段階で使用する分にはテンポロスというデメリットがなく、その瞬間に欲しいミニオンを選べるため単なるミニオンより応用力があるからである。

 もっとも、上述の通り強いとまではいえないため、優先度高くはない。他の選択肢に強いカードがなかった場合にピックする感じ。

 このカードはマリガンで残すカードではないし、間違っても2マナで使うカードではないことに注意。ヒロパの方が100倍強い。たまにこのカードをマリガンキープして2マナで使う人を見かける。

 

≪光合のステゴドン≫

 このミニオン自身は弱いが、上記の通り≪ジャングルの遭難者≫のピック優先度が高いこと、≪ヴァインクリーヴァー≫の存在から、複数の新兵を適応させる期待がそれなりに持てる。最悪でも動ける1体を適応させられれば十分に4マナの動きは果たせる。

 優先度は新兵を複数並べる手段の多さにも左右されるが、同じ4マナでは4/5には劣るが効果なし3/5や4/4には勝る。

 

≪ファイアブルーム・フェニックス≫

  このミニオンを弱いという評価は見たことがないが、パラディンではこのミニオンは特に評価が高いので一応。

 なぜなら、上述の通りパラディンは手札から細かい打点を出せないヒーローであるため、手札から出せる打点であるこのミニオンは非常に強い。また、≪トルヴィアのストーンシェイパー≫や後述の≪カリモスの下僕≫に自然につながる点も評価が高い。

 4マナの中では≪チルウィンドのイエティ≫よりも評価は上。

 

≪カリモスの下僕≫

 このカードは個人的にはレアの中でも相当上の評価である。具体的には、自分の中では≪ストーンヒルの守護者≫とエレメンタルが3枚以上ある場合のこのミニオンの評価は同じ。

 このミニオンを評価する上で押さえておくべき点は、パラディンのクラスカードのエレメンタルは≪光の王ラグナロス≫のみであることである。発見は、自身のクラスカードが中立のカードより出やすいという内部の仕様がある。そして、現在のエレメンタルはそこまで数が多くないため、かなりの確率で≪光の王ラグナロス≫が発見できる。≪光の王ラグナロス≫は必ずしも確定除去がとれないアリーナでは非常に強力であり、発見したこのミニオンで試合が決まることも少なくない。ラグナロス以外でも優秀なエレメンタルが発見できる期待値は高い。

 また、このミニオンは5/4/5とステータスは4マナ相当だが、逆に言えば素出ししても4マナのミニオンとしての大きさがあるということである。したがって、効果が発揮しない場合でも最低限の仕事はできる。

 このミニオンは①②の型どちらにおいても非常に優秀であるが、使用方法に差がある。②の型の場合、効果が発揮しない場合でもテンポで出すことは多い。一方で、①の型であり相手がメイジを筆頭にコントロール系のヒーローである場合、極力素出しはしない。特に、相手の盤面が空の状態でかつ相手のライフが削れていない場合であれば、5マナで他にヒロパしか動きがなくても出さないことがある(ただしデッキにエレメンタルが残り1枚などの場合は除く)

 

 

2 個人的には評価が低いカード

秘策全般

 秘策は相手のプレイングに左右される部分が大きいため、デッキ外から持ってくるならともかくピックは基本的にすべきでない。特に今はメイジが多い反射効として≪秘密を喰らうもの≫をよく見かける点もマイナス要素。

 

≪グライムストリートの道具屋≫

 個人的には評価が低いカードの項目はこれのために作ったといっても過言ではないくらい評価が低いカード。他の選択肢が≪グマグ・レイジャー≫と≪路上のトリックスター≫とかでもない限りピックしないくらいには評価が低い。

 このミニオンはその性質上、最も手札が多い序盤に出すことが求められるが、これが自分のパラディンの方針と致命的に合っていない。このミニオンは出すために2マナと手札1枚を使い、出したターンは1/1しか場に残らない。したがって、その瞬間盤面は相手に取られるため、バフを付けたミニオンで盤面を奪い返さなければならなくなる。上述の通りパラディンは手札から出せる打点がないため、盤面をとれた状態でバフがついたミニオンを出しても、無視されるか相手の都合がいい形でトレードされることが多く相手の動きが弱くない盤面を取り返せない。①の型でも序盤はある程度盤面をとらなければ弱いのに、序盤の盤面を投げ捨てるこのミニオンは存在が矛盾している。さらに、ウンゴロ環境になってパラディンは強い呪文と武器が増えたため、バフの対象が以前よりも減っているのもマイナス要素である。その上、トップデッキ勝負で引くと最弱という嬉しくないおまけ付きである。

 以上の理由からこのミニオンはほぼ取ることはない。一応、ウンゴロ環境になってから自分で使って試してみたが弱いという評価が強まるだけであった。

 これと似たカードに≪運び屋の走り≫があるが、こちらは1マナの隙間で使えるためテンポロスにならず、盤面で遅れないという大きな差がある。

 このミニオンを評価している点数サイトは、自分のパラディンにおける方針や考え方とは全く異なるため、両者を併用することはあまりお勧めできない。(あくまで自分のパラディンの方針とは全く異なる視点から評価しているからという意味であり、どちらが正しいor間違っているという意味ではないです。)

 

≪戦利品クレクレ君

 断末魔でドローできる代わりに1マナミニオンにも一方トレードされかねないスタッツは①②の型どちらにおいても方針と合わない。これなら雄叫びでドローできる≪初級エンジニア≫の方がまだ方針と合う。

 基本的に発見以外のドローミニオンパラディンに必要ない。

 

≪獰猛なヒナ≫

 一部ではdr.3との呼び声も高いミニオン。事実このミニオンが上振れるとそれだけで試合が終わる強いミニオン

 もっとも、パラディンは手札から打点が出ないため、相手の軽い挑発ですらヒナが止まってしまうことが多く、他のヒーローと比べて評価は落ちる。特に、①の型においては毎回序盤から盤面を取れるわけではないため、より一層評価は下がる。もちろん弱いとまではいえないが。

 

≪ノームの発明家≫

 雄叫びとはいえ4マナも使って1ドローは全く費用対効果が釣り合っていない。上述の通り自分の方針におけるパラディンには単なるドローミニオンは必要ない。

 なお、これと似たミニオンに≪輝く瞳の斥候≫があるが、こちらは4/3/4とギリギリ許容範囲内のスタッツであること、パラディンは6~7マナに優秀なカードが多くこれらを多くとるためカードのコスト減の期待が大きいことからこのミニオンは例外的にピックしてもよいドローミニオンである。

 

≪恐竜化≫≪始祖ドレイク≫≪電撃デビルサウルス≫≪海の巨人≫以外の8マナ以上のカード

 理由は上述の通り、返された時のデメリットが大きすぎるため。

 

 

以上を大まかにまとめると、パラディンにおいては

序盤の盤面を取るために役立つカードは評価が高く、

発見以外のドロー系ミニオン及び1~3マナのミニオンで盤面を取るために役立たないカードは評価が低くなる傾向にあります。

 

 3 質問があったカード

この項目はマナ順ではなく追加した順になっています。

≪知恵の祝福≫

 1マナで最低1ドローはできるため、デッキ圧縮にはなる点は評価できる。しかし、1マナとはいえ、このカード自体は序盤に盤面を取るために役立たないため、序盤に使っている暇はない。したがって中盤以降のカードという位置づけになる。

 ①の型はバリュー重視であるためデッキ圧縮には一定の意味があるが、このカードは動けるミニオンがいないと使えないため、盤面を取られている状況では手札に腐りがちである。相手につける動きは基本弱い。したがって、安定しない1マナ1ドローという評価になる。このカードで複数枚ドローできる状況とは相手がミニオンを除去できない場合であり、その場合そもそもドローせずとも勝てる。したがって、このカードの評価は低い。

 ②の型では、序盤から盤面を取ることが前提となっており、盤面に動けるミニオンが基本的にいるため、安定した1マナ1ドロー以上の評価になる。したがって、①の型と比べ評価は上がるが、結局盤面を取るのに役立たないカードであることには変わらない。2/2/2や3/3/3、4/4/4の強い効果がないミニオンよりは優先してもよいが、≪適応≫や≪聖なる力≫には及ばないという感じ。(個人的には引きたいときにドローできるとは限らないドローカードはあまり好きなカードではない。)

 

象牙の騎士≫

  ≪剣竜騎乗≫や≪聖別≫、≪恐竜化≫などを引ければ非常に強力であるといえ、回復効果もあるのはハンターやローグ相手に相性は良い。一方で、発見ミニオンとはいえ流石に6マナも使うのは重すぎるともいえ、秘策3枚のような選択肢もあり得るため安定性に欠ける。

 したがって、同じ発見ミニオンである≪ストーンヒルの守護者≫や≪カリモスの下僕≫には大きく劣る。もっとも、この2種の評価が高すぎるだけであり、弱いわけではない。ちなみに25枚目以降で1枚もエレメンタルが取れていない≪カリモスの下僕≫よりは優先される。

 ①②どちらの型でも、このカードよりは序盤のカードを取った方が安定することは多いと感じる。ただし、デッキがあまりに弱く、何がしかの方法で上振れさせなければ勝てないと感じたときは多少優先して取ってもよい。また、②の型で進めているのに≪恐竜化≫などの終盤用カードが取れなかった場合に、このカードから引くために取ることは大いにありだと思う。弱いとは全く思わないが、あまり取る機会は多くないカードという感じ。

 

挑発ミニオン

 上述の通り、①の型においては挑発の価値は他ヒーローよりも高い。一方、②の型は盤面を取っていくため挑発の価値は他ヒーローと変わらない。なので、ここでの評価は①の型についてを意味する。

 ①の型は、中盤を挑発で耐えることができれば後半は剣竜騎乗や武器で盤面を取れ、以降はライフを守れる。したがって、特に中盤の挑発ミニオンの価値が高くなる。具体的には、≪センジン・シールドマスタ≫や≪二流の強面≫は挑発ミニオンの中でも特に価値が上がる。強面は5マナだが①の型では3マナで出せる場面も多く強い。また、≪トルヴィアのストーンシェイパー≫は必ずしも挑発が付くわけではないが、それなりに挑発が付くことが期待でき、付けば非常に強いため同様に評価が高い。この3枚は4マナで代表格の≪チルウィンドのイエティ≫に勝る。4マナとしてはファイアブルーム・フェニックス>センジンやストーンシェイパー>イエティの優先度

 他には、≪ステゴドン≫や≪フェン・クリーパー≫のようなアタックが同マナ帯では低めな挑発も他のヒーローと比べて評価が高くなる。もちろん、≪タール・クリーパー≫や≪のたうつ触手≫、≪日雇い護衛≫のような普通に優秀な挑発ミニオンはより強い。ただし、≪魔古山の番兵≫のようなあまりにアタックが低いミニオンは時間稼ぎにしかならず弱いことには注意。

 一方で、≪始祖ドレイク≫以外の終盤の挑発は、終盤には剣竜騎乗等で盤面を取る方針であるため他ヒーローと比べて評価特に評価が高くなることはない。

 つまり、①の型において、序盤中盤のアタックが低すぎない挑発ミニオンは評価が高くなる。

 

 

 

 

 

 

プレイングについて

1 マリガンの指針

 

・先行の場合

 基本的に1マナのカード全てと2マナミニオン、3マナの武器は必ず残します。

 自分は≪適応≫や≪聖なる力≫であっても2マナ以下のミニオンがキープできていなくとも残します。理由は後半に引くと弱く、序盤にこそ使いたいためです。

 2マナミニオンが複数ある場合は、より2マナで出したい方を残します。このとき、≪水門学者≫は3マナミニオンとしても計算できるため、≪水門学者≫+2マナミニオンはありです。

 構築と異なり≪トゥルーシルバー・チャンピオン≫は2マナミニオンがキープ出来ていない場合は返します。

 逆に、≪水門学者≫以外の発見ミニオンや発見呪文は絶対に残しません。もちろん≪ストーンヒルの守護者≫も残すことはありません。理由は序盤の盤面を取るためのカードではないからです。

 5マナ以上のカードはどんな場合であっても残すことはありません。

 ①の型でも3マナの挑発を残すことはあっても、2マナ3マナ両方がキープできていない限り4マナの挑発を残すことはまずない。

 

 

・後攻の場合

 先行と同様に、1マナのカード全てと2マナミニオン、3マナの武器は必ず残します。

 他の点も先行と基本同じです。

 ただし、2マナミニオンは2体残してよいです。

 また、相手がローグかハンターの場合は≪聖別≫をキープしてもよいです。

 ①の型では、2マナがキープ出来ているなら 4マナでも≪ファイアブルーム・フェニックス≫・≪センジン・シールドマスタ≫・≪トルヴィアのストーンシェイパー≫などの優秀なミニオンは残してよい。

 

 

 

2 プレイングの方針

「序盤」

 ①②の型ともにとにかく盤面をとることだけを考えてプレイします。したがって、発見はそれしか動きがない時以外は控えるべきです。

「中盤」

 ①の型では相手の顔を殴るよりトレードを優先します。6ターン目に剣竜騎乗を有利に使える状態を目指します。ただし、必ずしも6ターン目に騎乗する必要はありません。あくまで有利に使える状態があるということが大事なだけです。

 ②の型では横に並べている場合はトレードと顔のどちらを殴るかはそれぞれのメリットとデメリットを検討して決めます。相手がAOEを有するヒーローの場合にはそのマナで飛んでくるAOEで壊滅しない盤面作りを重視します。どう動いてもAOEのケアができない・ケアするとあまりに盤面が弱い場合でない限り、AOEを打たれたら負けという開き直ったプレイはすべきではありません。

 ②の型でもミニオンを横に並べているわけではない時はトレードを優先したほうが安定します。

「終盤」

 ①の型では相手のライフを削りきれそうな場合でない限りはトレードを優先します。とにかく盤面と手札で相手より有利な状態であることを目指します。

 ②の型では放置できないミニオン及び有利なトレードができる場合でないときは顔を優先することが多いです。必ず顔だけ殴るべきというわけではありません。手札から出せる打点がデッキに何枚残っているかを覚えていると、フェイスorトレードについてプレイの精度が上がります。

 

注意点

 ハンドバフがあるからといってミニオンの出し惜しみはすべきではありません。ミニオンを貯め込んでハンドバフを連打する人を良く見かけますが、それは非常に弱い動きです。また、≪グライムストリートの用心棒≫を盤面を取られている状態で出す動きは非常に弱いです。

 パラディンのハンドバフは、慣れるまでついついプレイが歪みがちになるため、パラディンで全く勝てないうちは取らない方がいいと思っています。特に今の環境なら一切とらなくても十分勝てます。

 

 

 

 

 

以上がウンゴロ環境アリーナのパラディンで勝つために私が考えて実践している内容です。

いかがでしたでしょうか。もしこれを読んだあなたが、何かの参考としてパラディンで前より勝てるようになったとしたら嬉しいです。

また、ここがよく分からない!や、ここについてもう少し詳しく教えてほしい!などの意見がありましたらレミュ(@Remyu_hs)までその旨をお伝えいただければ可能な限りお答えします。ですので遠慮なくどうぞ。

ここまでご覧いただきありがとうございました!